2011年01月12日

鎌倉SEA CASTLE

鎌倉SEA CASTLE

お年始に長谷寺で初詣,その後に由比ガ浜にあるドイツ料理屋で食事・・・と言うのがここ何年かの

我が家の正月のある1日の過ごし方,になっております。

最寄り駅は江ノ電の長谷でして,そこから海に出て逗子方面に少し歩けば直ぐ目に付きます。

開業して何年になるのでしょうか? 少なくとも私が湘南に遊びに来るようになった10代半ばには

既にあったのですから,30年以上はやってるんですね。

ここはほんまもんのドイツの家庭料理とビールがある料理屋です。何故ならほんまもんのドイツ人が

やっとる店ですから。

私がここに正月に来たがるのには,料理とビール以外にもあるんです。と言いますのも・・・・・

店内の給仕はいつも一人だけ,カーラおばさんが取り仕切ってます。このおばさん,それはそれは

まぁーおっかないんですよ。

例えば店の扉開けて入って「今日はやってるんですかぁ?」なんて尋ねようものなら

「あたりまえでしょ! やってるんだから扉が開いてんだよ」なんて返事が帰ってきます。

料理の注文にまごついてると「ふん,まだ決めてないなら後で来るよ!」とか

子供が粗相しそうになれば,どこからとも無くやって来て,親をたしなめ躾の足りなさを指摘して

くれます。 「ああ,こんな婆ーさん,ほんとまだドイツとかにいるんだろうなぁぁ・・・」なんて

ノスタルジアに浸らしてくれる・・・なんて事はありません。とにかくビビリますよ。怖い怖い。

だからここに来るのはちょっと「心構え」が必要。気が緩んだ状態でフラリと来ると,ピシャリと

やられちゃいますよ。

でもこれがいいのです,正月早々この店に来ると,なんかシャンと背筋に1本通る感じがします。

自分の中で「また新たに1年が始まったぞ」と言う気になれるのです。

けして客をぞんざいに扱ってるのではなく,気配りはちゃんとしてくれます。

料理はどれも美味しくって,手を抜いているものは一つもありません。多分何十年も同じものを

変わらぬ味で出して来たのでしょう。何をとっても味わい深さがあります。ソーセージ各種や

アイスバインなどの肉料理はもちろんの事,ザワークラウドはちゃんと乳酸醗酵をさせて酸味を

醸しているものを出します。これはきっと隠れた絶品ですよ。

何十年も同じ所で同じ商売をしていれば,いろいろな変遷があった事でしょう。

その場合,流行に合わせて企業努力するのもよし,我が道を突き進むのもよし,なんでしょう。

けど,努力とはなんぞや?と思います。やれる事を何でもやるってのは,やるべき頑張りなのか・・・

自営業をやってますと,いつもこの問題に突き当たります。当代風のビジネス・セオリーを踏襲して

結果を出せば評価されるのでしょうが,「それは自分がやらなければいけない事か?」と言う

いつもの帰着です。

「まっ,いっか。これでやれるところまで行こう」 なんですね。

この店シーキャッスルだって,そうして続けてきたのでしょう。まぁ比べるのもおこがましい

のですが。経営の発展や堅固さよりも,変わらぬ味と店の雰囲気を大切にして来た店にしかない

重みが感じられるのです。

鎌倉SEA CASTLE

写真撮影なんてもちろんご法度。カーラおばさんにめっかったら,大目玉食らう事でしょう。

だから隠し撮りです。 カーラおばさん,ゴメンなさい。ゆるしてね,って許さないだろうなぁ・・。

料理はオリジナル性が高いので自粛しまして,まぁビールは市販のものなんで,ご愛嬌です。

ここに写しましたのはバイエルン地方の大手と言っていいと思います,バイス・ビール専門に造る

エルディンガー社の,冬季限定モノ「シュネーバイセ」です。

シュネーとはドイツ語で「雪」を意味するようです。ビールを注いだ時にバイツェン酵母が雪の

ようにグラスの中で降り落ちる,と言う触れ込みです。ビン詰めではあるけど,だから「生」の

ビールなんですね。

通常の品より比重が少し高めで,熟成期間も長めに取っているので,アルコール度数はちょっと

高目です。グラスに注いで先ず匂いをかいでみると,ほのかなバナナ様の香りがしますが,それ程

強くはなく,続いて一口飲むと,クローブ香は殆どありません。ホップの苦味は少なく,コクは

ある程度ある感じ。

エルディンガー社の特徴のようですが,香りとホップの苦味は和やかにしか効かしてないよう。

そしてモルト感はそれなりに,と言う塩梅のようです。バイツェン・ビールをただそれだけガッツリ

飲みたい,と言う向きには物足りなさを覚える事でしょう。実際旨味の濃いバイツェンはつまみの

必要が無いくらいです。しかし料理との相性を考えれば,これはけして食べ物の邪魔をしない

慎み深くも,しっかりしたバイツェン・ビールと言えると思います。これはこれでいいかな・・。

鎌倉SEA CASTLE

こちらはデュンケル・バイセ。小麦の黒ビールですね。もともとデュンケルとは「濃い」ビール

と言う意味合いだったらしく,だから特に黒ビールを意味する訳ではないようです。

ですから中にはブラウン色でデュンケルと称するモノもあります。

このデュンケルは注いでグラスを高くかざすと,僅かに向こうが透けて見える位の,まぁよく言われ

るところのデュンケルです。味・香りはやはり例に漏れず,でありましょうか。ローストしたモルトの

焦げたキャラメル感が少しの間留まり楽しめた後,すっと消えてなくなる感じ。ここでも控え目さが

現れています。

だから料理にも好く合いますね。バイス・ブルストなどの白ソーセージのアッサリした美味さにも

いいアクセントを与えます。それとジャガイモ料理には特に相性がいい気がしますよ。



と言うわけでして,正月からしっかり飲み食いしちゃいまして,背中に筋を1本通す・・・なんて

言っときながら,ハラは満腹,あたまはしたたかに酔っ払ってふやけてしまい,その後は

由比ガ浜でたこ揚げ。風は程よく天気も上々。なんも気合の入らぬお年始でした 丸


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Posted by Brewman at 13:55│Comments(0)グルメ
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