2010年06月07日

週末料理

週末料理

日曜の午後,スーパーで一尾158円で売ってた養殖のアユ。普通にグリルで焼いて食ったら

きっと生臭いでしょうね。ニジマスの養殖モノなんかもそうですが,こやつら短期間で生長し

太らせる為,大量の昆虫の幼虫,さなぎなんかを食べでいるので,大概ちょっと嫌な臭みが

あるもんです。

そんなのもあえて買って来ましたのは,まぁ燻製にでもすれば食えんこともなかろう・・・

と言う算段でした。

淡水で育つ川魚は海の物に比べ肉質は淡白です。それ故に臭みも目立ちがち。皮は厚くて

けっこう丈夫なんですね。だからじっくり炭火で火を通すと旨くなり,養殖モノでも臭みが

飛んで,けっこうイケます。じっくり焼くのを辛抱できれば調理はそんなに難しくないですね。

しかしこれが海魚とかになると案外難しい・・。秋の味覚のサンマと言うと我々日本人は

七輪でこんがりと・・なんて連想しますが,これがけっこう難儀な仕事。

七輪焼きは熱源の炭から近く,脂の多いヒカリモノだとちょっと火力が強いと直に脂が染み出て

バチバチ・ジョバッーと火柱が立ち,あっという間にサンマは黒コゲ。そうはさせるかと

慌ててひっくり返せば薄い皮は金網に引っ付いていて,悲しく空しくはがれちゃいます。

かと言って弱い火でチンタラ焼いてると時間は掛かるし,さぁやっと食えるぞ!といき込んで

頬張れると肉は既にパサパサで,皮目が上手く焼けてる割には旨くなかった・・なんて按配に

なりがち。そう,脂と水分が多く,肉質の柔らかい秋刀魚の様な魚を上手く焼くのは,実は

高等技術なんですねぇ。

対策はあります。火勢に合わせて五徳等を使いこなす・・なんてのもありますが,一番良いのは

なるべく高価な炭を使うこと,と言う安直な答え。なんも難しいコトありません。

紀州産姥目樫の備長炭がやっぱオススメ。あれはスゴイ!まぁ値もそれなりですがねぇ。

以前頂き物で使った事がありましたが,着火にてこずる事1時間,しかし一端付いてしまえば

その後は何時間も一定の火力を保ち,焼く食材によって機嫌を良くしたり悪くしたり,なんて

ことが余りありません。もちろん焼いた物がみな美味くなり,遠赤外線効果を実感できます。


ああ,いい加減燻製アユの話に戻りますか。

まぁそんな訳でして,養殖淡水魚はなるたけ気長に弱火で調理すれば,なんとか美味しく

頂く事が出来ます。

その前に下処理ですね。海の物の様にうろこがないのは楽であります。まずヌメリがあるので

アラ塩でこすり洗いして水で流します。そしてその後燻製にしますので内臓系は外します。

アユは内臓の苦味が旨くもありますが,養殖モノはちょっと無理ですね。

私は時々アメリカのyou tubeを見るのですが,さすがに向うはアウトドアー系はスケールが

違いますね。そんな中でキモ取の面白いテクニックを探し当てました。

魚を手に取り肛門を探し当て,そこからハサミを差し込んでずっーとカマの部分まで切り裂いて

しまいます。そうしたら両側のエラからハサミを入れカマを外します。今度はハサミを下アゴの

下,薄膜があるのでそこに突っ込んで切ると,口と喉(?)の間に隙間が開きます。

次にハサミを置いて一方の手は魚の頭を掴んで他方の手の親指はその開いた隙間に突っ込んで

摘み,肛門の方に向けゆっくり引いて行くと・・・あーら不思議,エラと一緒に内臓一切が

キレイに取れてしまいます。

慣れて上手くやれるようになれば手さえも余りナマ臭くならずに済み,もちろんまな板・包丁を

汚す事がありませんし,流しにさえ何も落とさずそのままポリ袋行きです。

しかし何が良いかと言えば,魚が最小限の傷ですっかりキレイに内臓が取り外せる事です。

後は流水で使わなくなった歯ブラシでやさしく血合いを洗い流せば下処理終了です。

文字だけではちょっと分り辛いでしょう。是非一度投稿を見て下さい。面白いですよ。

「SMOKE FISH」でその内当たると思いますので。

でもまぁアメリカ人って,良くも悪くも合理的ですよね。呆れつつもたまに感心させられます。

そうしてキレイになったアユさんたちは塩をすり込まれて30分ほど置き,その後流水でしっかり

洗ってから水気を拭き取ります。

取り出したのはもう時間も夕飯時が押し迫っていたのもあり,めんどくさかったので

中華鍋。今回はこれで簡易スモーク。鍋底に銀紙を敷きチップを一掴み。最初強火で煙を

モクモクさせ,くっつかないようにオリーブ油を皮に塗ったアユさんたちを網に乗せいざ鍋へ。

フタをしたら煙が絶えない程度の(これがちょっとだけ難しいかな)弱火にして燻製へ。

10分したら裏返して全体で25分くらいかな,まぁ適当です。いい感じに燻製色が付いたら概ね

いいでしょう。今回は魚肉ソーセージも一緒に。いい色になりました。

スモーカーで金具で吊り下げてする場合,最初充分に塩して乾燥させないと,魚は火が通って

来るとその内前触れなく「ドサッ」と下に落ちちゃいます。これって案外やりがち。悲しいです。

途中裏返さないとスモークがキレイに両面掛かってくれないなど面倒がありますが,まぁ網を

使うのをオススメします。金具にアタマだけぶら下がって,胴体が多少崩れて下に落ちた魚を

見るのはほんとに虚しいですから・・・・。


この日の夜はこの燻製アユと鰹のたたき。日中の好天もあり,ビールが美味かったです。
タグ :あゆ燻製

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Posted by Brewman at 14:24│Comments(0)燻製
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