2011年05月07日

唐招提寺

唐招提寺

日本復活祈願のため(ホンマかいな?),6年ぶりに奈良にやって来ました。

その時は,千手観音・薬師如来・ろ舎那仏の三尊を収めた金堂は平成の大改修をやっていまして

巨大なプレハブの建物に被われた金堂は,ようやく組立作業が始まったばかり,と言う様子でした。

2000年に解体作業に着手し,落慶が2009年です。なんせ建立が平安時代,最近の調査で判明

したのは,西暦953年に伐採されたヒノキが部材として多数使用されている,と言うこの金堂です。

単に解体して組み立てればいい,と言う話ではありません。もし下手をして重要な部材を破損した

とか,取り外したはいいけど,どこにはまっていた物なのか判んなくなっちゃった!なんて粗相は

許されません。出来るだけ元の部材,もしくは過去に何度も行われた改修当時の部材を残して

それにとどまらず,今後何百年建物が存続出来る様,補強や部材の交換を慎重に進めて行った

のです。

唐招提寺

建物の中には入れないので外から眺めますと,向かって左が千手観音立像。

普通は大体四十手程で「千手」とするのですが,この金堂の観音様はその総手数なんと953本。

完成当時はほんとに千本あったとか。そのお隣が本尊のろ舎那仏。右端が薬師如来立像です。

素材は乾燥漆喰とかで,当時は建立にコストの掛かる製造法だったようです。この唐招提寺は

いわば私営の寺でして,つまりお金に困ってて,鑑真和上が没後何年もして,ようやく創設に

こぎつけられたと言う経緯だそうです。なのに何ゆえそんな金のかかる三尊をこしらえられたのか?

このお寺に関してはいろいろとミステリーがあるようです。

しかし確かに,まぁ今でこそなのかも知れませんが,他の寺と比べても,ここの金堂と三尊像が

もっともゴージャスで意匠をこらしているように思えるのです。

唐招提寺

こちらは「し尾」と言って,大棟の左右に配置されている瓦と言っていいのでしょうか

大きさは大人の背丈でみぞおち程もある巨大なものです。これ程までに巨大な瓦材はもちろん

他には無く,今回の改修で東西両方とも新しい物に挿げ替えたようですが,なんと西側の物は

創建当初の物がずっと乗っていたそうです。当時の匠の技巧の高さには驚くばかり。

実際粘土をこねて製作してみると,あまりに巨大なばかりに乾燥むらが出来てひび割れてしまい

現代一の職人さんもギブアップしかかったほどの困難さであったようです。

これに限らず金堂の柱や土台,屋根の複雑な構造,何万枚にも及ぶ瓦の重量などを,ちゃんと

バランスを取れるよう設計して,それにとどまらず宮建築の特徴である反り返った軒などの雅さも

随所に現れています。

今のように高速演算機で設計図を掛ける訳でもないし,便利な大工道具,パワフルな重機があった

のでもなしに,昔の職人さんたちはよくもこんな大仕事やってのけられたのでしょう。

唐招提寺

この花は「けい花」と言う名の物で,中国からの植物だとか。「けい」の字を忘れてしま

した。どんな字だったけな? なんでもちょっち珍しい貴重なもののようで,普段は入れない敷地内の

ある所の庭に咲いていました。花には何も知識が無いので,貴重だ,と言われてもねぇ・・・判りませ

んのです。見た目はご覧の通り,アジサイの「隅田川の花火」みたいなやつです。そんなこと言ったら

なんか怒られそうですが。


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Posted by Brewman at 19:59│Comments(0)旅行
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