2010年08月27日
スモーク・サーモン
先々週,姉が家族で「コストコ」に行った際に,大っきなカナディアン・サーモンとチーズ
ベーグルを買って来てくれました。しかしあのデッカいスーパー,何度か行った事ありますが
まぁ何ですかねぇ,呆れるほどのなんでもの品揃えに,低価格大量販売。多分,アメリカの
スーパーでもあれ程のスケールの量販店は滅多にないでしょう。ある意味,ちょっと気軽に行ける
アメリカ村,みたいな感じかもしれません。私はあの巨大なカート押し歩くだけでイライラして
しまうのですが・・・・。
価格はなんでも安くって豊富な品揃え・・と言う事にはカラクリがあるのです。
そうですよーみなさん,とくに口に入るものは何がどうやって作られてるか知れたもんじゃ
ないのです。そうした疑いの心を持って見ると,味わいにも影響してしまいます。
しかしここで売ってる商品でワタシ唯一感心するのはベーグルです。ベーグルは元々は
アメリカ東海岸に住む清教徒,つまりユダヤ系の人々のまこと清らかな日常食なのですね。
戒律に厳しく暮らしている清教徒の人々は彼らの思う不純なものは口にしません。
なので彼らはパンを食べるにあたって,お清めをしたのです。
何をしたかといいますと,パン作りに詳しい方はご存知の通り,ドーナッツ状に丸めた
パン生地を焼く前にお湯で煮たのです。そうして焼いたパンは偶然なのか,モチモチの
食感を生み,東海岸で清教徒以外の人々も好んで食べるようになったのです。
ここ10年位で日本のパン屋さんでもベーグルを作ってくれるお店がずいぶん増えましたね。
本場のものと比べるとパンらしくフワッとしている気がします。
で,コストコで買うベーグルなんですが,これがモチッとしてる・・と言うよりは
ずっしりした食感で,本来のベーグルにこちらの方が近いと思います。なのでこれに
関して言えば,私のお気に入りです。
頂いた生のサーモンは表示には刺身でも食えるゾ,とありましたが・・・ちょっとねぇ。
なのでソミュール液(塩水にハーブやスパイスを入れた物)に3日ほど漬け込み身を締めてから
低温スモークにかけました。私なりのお清めです。
ソミール液の利点は塩抜きしなくていい点です。予め塩分濃度を決めておき,身が締まったら
乾燥させ即燻製できます。逆に言えば最初ちゃんと塩分濃度をきっちりやらないと取り返しが
難しいのですね。
これをやるのには特に白身魚のスモークの場合都合がいいです。白身魚は塩抜きで真水に
浸すと身が再度ふやけ身崩れし易いからです。あとベーコンなどする場合にでも手間が省ける
のでと,する人もいますね。ちなみに鮭は白身魚です。海に下りて食べる餌の色素のせいで
身があの色になるそうです。
しかしじゃあ今回ちゃんと塩分濃度を計算して作ったか,と言いますと,やらなかったのですねぇ。
なにぶん適当が好きな性格,バットに塩して水入れてグルグルして味見して,「よしオッケー」
てな具合。出来上がりはちっと塩っぱかったかなぁ・・・当たりまえです。
ソミュール液には家で勝手に繁茂してるローズマリーとレモンタイムを入れてやりました。
ほんとは乾燥ディルとかが合ってると思います。そうして3日もすると身が締まって来ます。
そしたら冷蔵庫で半日ほど乾燥してやり,その後燻製に掛けます。
問題はどうスモークするか。熱燻・温燻・冷燻製,いろいろあります。一般にスモーク・サーモン
と呼ばれて市販されている物は冷燻製です。限りなく生に近く,ほのかに燻製臭がします。
例えば中華鍋とかで燻製する場合,冷燻は難しいでしょう。熱源と鮭が近過ぎて熱が入って
しまうし,逆に冷燻製に拘れば,煙が漂った時点で消火して後は鍋の中に残った煙だけで
と言う事になります。
今回はあえて冷燻製に挑戦です。いい具合に身が締まったので上手くやりたいですね。
とは言っても使うのは何時ものスモーカー。熱源から対象物までせいぜい30㎝くらいです。
なのでお線香の様に火が付くスモークウッドを使用。チップのように熱源が要りません。
しかし締め切ったスモーカーの中は少しずつ温度が上昇します。そうならない様にスモーカーの
中段には氷を入れたボール置いて対処します。
燻製に掛ける事1時間半,もうこれ位でいいでょう。スモーク臭はそれなりに付いた筈。
余りやり過ぎると煙が身を硬くして生っぽさがなくなり,脂が染み出て来て身が崩れやすく
なり,そうなるとスモーク・サーモン独特の食感が失われます。
完成したのが冒頭の写真のもの。包丁で薄く切り分けつまんで食ってみました。
うんうん,やっぱ塩っぱかった・・・・でも確かにスモーク・サーモンです。 めでたし
Posted by Brewman at 13:26│Comments(0)
│燻製
※会員のみコメントを受け付けております、ログインが必要です。