2011年11月15日

イタリア,食い倒れの旅5ワイン編

イタリア,食い倒れの旅5ワイン編


フィレンツェからイタリアの高速道路アウストラーダA1を南下して1時間半ほどにある街、モンテプルチアーノ。
ここはなだらかに続くオルチャ渓谷の中の高台にあります。
イタリア,食い倒れの旅5ワイン編


近年ではトスカーナと言えばアグリツーリズモと言う、この地方の農家が営む「民宿」が流行になっているのですが、そもそもそうした宿に滞在するのに人気が集まるのは、この土地の自然と、それが生み出す恵みが豊だからに他なりません。
家畜や野生動物の肉類が揃い、オリーブは南シチリアにも負けない程の生産量。その他この季節なら栗や茸類、とくに生のポルチーニ茸が食べられるのは魅力です。しかし忘れてならないのはやはりワインでしょう。
ここトスカーナはイタリア・ワインの最高品種を生み出す地であります。

ちなみに上から2つ目の写真はカンティー(ワイナリー)です。こうした所が随所にあり、基本的にこの土地でとれたブドウのみでワインを生産して、当然のごとくこの地でボトル詰めをするそうです。他の土地で作られたワインでブレンドすると言う事はしないとの事。

イタリア,食い倒れの旅5ワイン編

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日本の土地のように急峻で肥沃な大地とは違い、乾燥したなだらかな地形が続きます。地質は石灰質で養分に乏しく、よってワイン用のブドウ作りにはこの地の気候も手伝い、とても適しています。
ブドウの原産国はアフガニスタンと言われています。ここ何十年とかの地は戦火に呑まれ続け、よって本来よりは我々がニュースの映像で知ってるアフガンはずっと荒涼としてしまっているのでしょが、元々葡萄の木は枯れた乾燥地での栽培が向いているのです。

養分と水分に乏しい土地では葡萄の木はそれらを求め地中深くに根を下ろして行きます。
すると土地がなだらかなおかげで地下水はゆっくりと流れ、結果地中の多くのミネラル分を取り込みます。つまりかなり硬質のミネラルウォーターを吸い上げて実ったブドウは鉱物を多く含んだブドウとなり、そしてそのブドウで作ったワインは非常にしっかりしたフルボディーのワインとなるのです。

イタリア,食い倒れの旅5ワイン編


条件で言えばフランスのボルドーワインと似通っていると言えるかも知れませんが、モンテプルチアーノの街のレストランで気軽に頼んで呑んだハウスワインと言いましょうか、テーブルワインの印象は、しっかりしたボディーにも関わらず口当たりよろしく非常に飲みやすくて、料理を邪魔せず、尚かつ楽しませる・・・って感じ。
ああ、でもワインのテイストを語ると知識不足が露呈するのでこの程度にしておきましょうか。

しかしイタリアで嬉しいのは、大概どこのレストランでテーブルワインを頼んでもそれなりに美味く、しもかまるで水のように安い、と言う事でした。ほんと場所によってはミネラルウォーターの方が高かった・・なんて事もあったりして。
ビールもいいですが、やはりワインの国ですねイタリアは。

イタリア,食い倒れの旅5ワイン編


こちらはモンテプルチアーノからペコリーノチーズで有名なピエンツァの街に向かう途中でたまたま通ったブドウ畑。
たまたまと言うよりは、頼りにならないカーナビに従って走っていたら、何故かとんでもない林道に入り込んでしまい、おそらくこのワイナリーの私有道路を勝手に走ってしまった結果、なのでした。偶然の産物。しかしなかなかの眺めでしたね。

イタリア,食い倒れの旅5ワイン編


食用のブドウとワイン用のブドウの違いの最もは、おそらく木の剪定の仕方ではないでしょか。前者は一本の木の枝を長く伸ばしてツタを絡ませ身を成らせるのに対し、後者は背丈を短くし側枝は伸ばさせません。整然と株を並べて実らせます。多分、根っ子の問題なんでしょう。

イタリア,食い倒れの旅5ワイン編

こちらは私今までに見た事のなかったワインの自動サーバー(?)兼ボトルキーパーでしょうか。
ここモンテプルチアーノは石造りの城塞の街で大変クラッシックで趣のある所なのですが、こんなハイテク機器があるなんてね。


イタリア,食い倒れの旅5ワイン編


街には幾つかのエノテカ(居酒屋兼酒屋)がありまして、とぐろ状に登り詰めた市庁舎のある近くである一軒の看板を見ますと
「アメリア・日本に配送可」と書かれています。
うん、どうしようか・・・・・・?と悩んだ結果、せっかく旅に来たんだもの、ここはひとつ土地の名産を買わにゃぁ、となったのです。
で、選んだのがこの3本。 どちらもRosso(赤)であります。
白も一本くらいは・・と思って尋ねれば、ここモンテプルチアーノは赤ワイン用のブドウを栽培するのに適した土地で、なので白ブドウはあまり作ってない、との事です。

首に巻かれたピンク色の紙が、最高の品質を保証するラベルだそうです。
試飲してみると、両サイドのは確かにフルボディーモノで、ビンテージは2007年。もう飲めるけど、後1年くらいは寝かせてもいいかな・・って感じの飲み口でした。 でも帰って来て意外にも早く届いて、すぐに一本飲んじゃいました。
真ん中のは2006年産で、こちらはもうシブシブ、渋々でした。とても今飲んじゃ「ダメよ」って感じ。
とにかく舌に渋みが染み付いて何十秒かは取れない。思いっ切り鉱物系の味がして今は飲み頃ではないと言った塩梅。
しかしこれ幾年か寝かせればその後が楽しみなワインでしょう。しばらくはうちのガレージで熟成をしてもらいましょうか。

3本のお値段はさほど高いものではありませんでした。けれども問題は送り賃。ワインの値段の倍近くしましたよ。
でもせっかくだから、旅の思い出にもなるし・・・と言う事で購入したのですが、宿のアグリツーリズモに帰って他の滞在者で日本から来ているNさんに尋ねれば、同じ程度のものが日本の輸入雑貨屋さんで買えば、配送料込みの値段よりもずっと安くかえますよ、と教わり、ちょっと意気消沈してしまったBrewmanだったのです。 おしまい


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