2011年03月11日

自家製ピルスナー完成

自家製ピルスナー完成
今年に入っての1月上旬に仕込みをして

ビン詰めからは3週間位経ちました。

約2ヶ月で飲むに耐えうるモノになった

と言えます。

泡立ちはキメ細やかで,炭酸が舌に

触れる感触は,ピリピリしてはなく

爽やかで優しげであります。

最初の試飲の時は味も香りも平面的な

印象を免れない観がありましたが

かなり風味に立体感が出て来て

厚みのある飲み応えがあります。

甘味は多少残りつつも,稚拙な甘ったるさは既に無く,モルトフレーバーと言っていいものに

変容しています。ラガービールらしいすっきり感も充分あり,バランスが取れてきました。

そして特に書いておくべき事は,ダイアセチル香が顕著になって来た事です。

これはいわゆるオフフレーバーと呼ばれる,余りお酒造りで有難く思われない,「異臭」と

認識されているものです。

このダイアセチルは,酵母菌が糖分を摂取してアルコールや二酸化炭素,その他の代謝物を

産生するのですが,その過程で一緒に出て来る副産物のひとつです。別にあってはならぬ

特異な条件下で生まれる悪しきものではなく,普通に作り出されるものなんです。

ただこれが余り目立つと,その匂いの性格上,それこそ鼻つまみ者となるのです。

その匂いとは・・・・・「バター臭」なんです。モルトの甘味と絡むと,これがキャラメル

バターみたいなフレーバーになり,場合によってはちょっとケッタイなビールになります。

バター臭と言うのだから,それにはそれなりの理由があるのです。酵母は糖を分解する

途中転換物として「アセト乳酸」なるものを作り出すようです。乳酸・・・と言うくらいで

だからやっぱりそれは乳製品様の匂いがするのが当たり前なんでしょうかね。

これは醸造温度が余りに高過ぎたり,又は醗酵時の酸素供給が過剰だったりすると特に

出て来ると,ある文献には紹介されてます。

上面醗酵するエールビールでも出で来るようなのですが,エールの場合,やはり副産物の

フルーティーなエステル香などの様々なフレーバーが多いので,殆ど気付かないのだと

思います。その点,雑味の少ないラガービールはスッキリしてる分,よく目立っちゃうの

でしょう。

私はこのダイアセチル臭のするピルスナー・ビールが嫌いではありません。むしろこの香りが

するとほんとのピルスナーを飲んでるな,と言う気さえします。最初に飲んだボヘミアン

スタイルのピルスナーがこの匂いがよくしたからです。それは「ウルケル」でした。

すっきりが持ち味のピルスナーではありますが,適度なダイアセチル由来のバター臭があると

ビールの風味にまろみが出で,よって味わいに立体感が出ると思います。このフレーバーを

忌み嫌う理由が理解できません。 まぁ何事も「過ぎたるは及ばざるが如し」なんでしょうが。

この香りはラガーの熟成段階で,徐々にまた酵母によって始末されて,無くなっていってしまう

ようです。ちょっと悲しいですね。逆に言えば,ダイアセチル臭のあるビールは「鮮度よし!」

と言うことなのかな。

仕上がった我がピルスナー。まだたま在庫があります。ならば少しずつ飲み進め,その味の変化を

せいぜい堪能しましょう。



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Posted by Brewman at 14:17│Comments(0)ビール
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