2011年02月14日

清里タッチダウン・ビール

清里タッチダウン・ビール

連休初日の金曜日は,夜明けと同時位から雪がちらつき始め,次第に本格的な降雪となりました。

そんな日にも拘らず,向かった先は清里。中央自動車道も双葉から先はチェーン規制が掛かり

いよいよ本降りとなってしまいました。着いてみれば一面白銀の世界。 まぁびっくり!

我々バブル期に青年期を過ごした世代にとっては,この地のイメージは「虚栄の聖地」,こんな

もんです。当時は女子大生が夏休みにペンション泊まってテニスとかに興じて,それでもって

男子たちはナンパ目的で追いかけてく・・・なんて世界だったのでした。

あの時代,みな浮かれてたし,他人より見張って大口たたけるた奴がよりもてはやされたのです。

実にいやな時代だったなぁ・・・・アレレ,また脱線してしまった。


反射的にこの地の名を避けたくなるものが自分の中にあったのですが,それでもわざわざ行った

のは,最も近場で「スキー・温泉・ビール」の3点セットが整っているのが,ここだったからな

のです。つまりいちばん安上がりに済みそうな場所だったからと。

清里駅からもさほど遠くない場所に「萌木の村」と言う様々な施設が寄り集まったエリアがあり

そこに「ロック」と言うビアパブレストランがあります。ここに入っているのが「タッチダウン・

ビール」です。

この地ビールはキリンで醸造主任として「ラガー」や「一番搾り」,「ハートランド」などの

ヒット商品の殆どを手掛けた山田一巳と言う方が始めたブランドだとの事。

ならばレベルの高さはある程度期待できそうです。

「地ビール」と言うと,趣旨や作為は判るのだけど,「これではちょっとなぁぁ・・・・」って

モノもかなりあるのが実情。平たく言えば「懲りすぎ」ってのがあるとですとよ。 

しかし大手ビールで実績を積みつつ,大衆受けを狙ってのではない,「ホントはこんなんが造りた

かった」なんて思いを持った人が,思う存分創作したビールは「どんなモンになるんだろうか?」

と言うわくわく感が沸いて来ます。商品のラインナップを調べてみれば,地ビールに偏りがちな

上面醗酵ビールではなく,ラガー系のものが主流だと言うのも楽しみです。


清里タッチダウン・ビール

入り口を入って正面左手にはこんな高価な銅製の仕込みとろ過の釜があります。これで実際に

ビールの製造をしているようです。オートメーション化が進んでいるようで,この辺りはさすが

元大手のビール職人と思わせます。

清里タッチダウン・ビール

店内ではハム・ソーセージ類の販売コーナーもあります。お値段はみな「高級」の部類。

ドイツのマイスターから伝授された製法を忠実に再現して製造したモノだそうです。

この様に見た目は実に立派。 で,お味は・・・うん,まぁうまいかな。でもふつう。

それよりも,このてんこ盛りになった粒マスタードがえらく美味かった。薄切りトーストに

これを塗って,モルト感のあるビールを飲めば,ベストマッチって感じです。

清里タッチダウン・ビール

フロアーには暖炉もあり,無垢木をふんだんに使った室内はとってもあったか。外の雪深い世界とは

違う次元のようです。 サービスで棒に刺したマシュマロを配ってくれ,暖炉で炙って下さい

なんてサービスもあります。


清里タッチダウン・ビール

さて肝心のビール。先ずはこのタッチダウン・ビール一番人気だそうです,「デュンケル」から。

デュンケルは英語だと「ダーク」だと。なので「濃い色」と言う意味合いなのですね。

これが名の付くビールはラガー酵母を使った黒ビールになっているものが多いのですが

本場ドイツでは必ずしもそうではなく,この様に赤銅色をしたデュンケルも結構あるようです。

これはデュンケルとしてはかなり色薄めの方でしょうね。

最初に鼻を近付け匂いをかいで見ます。けど余り,と言うが,殆ど香りはしません。

これに限らずどうもここのビールはみなこのような特徴でした。(もしくは花粉症のせい?)

ビールの匂いってやつも良し悪しですね。はじめ「いい香り」って思っても,飲み進んで行く内

まさに「鼻に付く」って感じになる匂いもけっこうあります。クドさを打ち消す為,あえて香りは

一切無しってのもアリかな,とも思います。

一口飲むと意外にも麦芽のローストした感じは余りなく,キャラメル様の甘味とは違った品の

良い甘味が少しばかしか感じられた後,スッと消えてなくなる感じ。切れの良いラガー酵母だから

こそのなせる業。雑味も無く炭酸の加減もピリピリしてはなくってちょうどいいです。

しかしボディーはしっかりあるので,のみ応えは充分。出来の良いビールですね。


清里タッチダウン・ビール

こちらは「ロックボック」。先のデュンケルを濃くして長期醸造したものでしょうか。

説明書きを読めば,ホップはチェコ産を,モルトは通常の1.4倍,熟成は倍の8週間を要してると。

アルコール度数は7%です。レストラン・ロックで限定的に出す,ボック(強い)ビールです。

見た目の色といい,注がれたグラスのカッコウといい,いかにも「濃そう」です。

これも匂いは殆ど無かったのですが,一口飲めば何故かエステル様のフルーティーさが鼻に抜ける

感じが一瞬します。濃いビールにありがちな雑味は一切無く,大変飲みやすいのです。

しかしアルコール度数は高いので,スイスイ飲んでいくとけっこう酔っ払いますよ。しかし甘味が

適度にあり,なのにラガー酵母ですっきり仕上がっているので,ジュース感覚でいってしまいそう

なります。炭酸加減がこれも爽やかで,あとくされを残しません。

自分的にはこんな腰の据わったグラスではなくって,ビールらしく背丈のあるので飲みたいですね。

もしこれが家の冷蔵庫にあったら,帰路もうれしくなりそうかな。

清里タッチダウン・ビール

これはピルスナー。元キリンの醸造者としては,ある意味最も馴染み深く,得意な分野ですよね。

しかしこの頃になると,最初に濃い目のビールをふたつ飲んだせいなのか,このピルスナーを

飲んでも,何も感じ入る所が無かったのです。もう酔っ払ってて,舌もバカになってたかな。

多分,あえて例えるならば,「ハートランド」に近かったでしょうか。このビールは根強いファンが

長年にわたって多いですよね。

清里タッチダウン・ビール

秋・冬限定製造のアルトです。このタイプのビールはデュッセルドルフでよく飲まれるモノです。

ラガービールが本場のドイツにあって非主流派の上面醗酵ビールです。アルトとは英語で「オールド」

の事だそうです。上面醗酵する酵母の方が先にビール造り使われ始めました。なので「古い」と。

色目はえらく濃いですね。まるでこちらの方がデュンケルらしいです。でも間違ってませんよ。

ええ,ちゃんと画像の取り違えは無かったと断言しますって。

上面醗酵ビールにも拘らず,これも殆ど匂いません。(やっぱ花粉症?)

飲むと最初に金属の様なキンキンした味覚が出ちゃいました。これって,自分の口内環境のせいか

あるいは食べ合わせの問題か,もしくは・・・・・・?なんですが,ビール造るとよくある事です。

今回マズッタかな・・って思って翌日もう1本開ければなんとも無かった,なんてモンです。

見た目に相反して,あまり特徴の無いビールかな。別に無くともいい感じ。上面醗酵ビールなら

他のスタイルでいいものが多々あります。あるいはドイツのアルトって,こんな感じなのかな?

これ以外にアルト・ビールを飲んだ経験が無いのでなんとも評価できません。


出来ればまた行ってみたいビア・レストランです。料理は今回気に入ったデュンケルやボックな

どと上手く相性の良いもの・・・と考えれば,ちょっと難しくなるかと。やっぱシンプルな

ジャガイモ料理がいいのでしょう。美味かったのは茹でジャガにクリームチーズをタップリ掛け

たもの。欲を言えば,価格帯が中程度設定のおつまみ類があったらなぁ,と言う思いです。

まぁビアパブではなくって,ファミリー客対象のレストランと言う位置づけなのでしょうがない

でしょうか。

しかしビールは美味かったとですね。さすがです。お店全体の雰囲気も良かったです。


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Posted by Brewman at 16:59│Comments(0)ビール
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